歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因である怖い病気です
歯周病は、歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」に細菌が溜まることで引き起こされるお口の感染症です。初期段階では自覚症状がほとんどなく、知らず知らずのうちに進行してしまうのが歯周病の怖いところ。重症化するまで放置してしまうと歯が抜け落ちてしまうこともあり、また最近の研究では歯周病の原因菌が全身の健康にさまざまな悪影響を及ぼすこともわかってきています。
歯を失うことは、想像以上につらいことです。そのまま放置したり間違った対処を取ったりしないために、まずは歯周病について正しい知識を身に付けましょう。こちらでは、歯周病専門医のいる歯医者「おおたデンタルクリニック用賀」が、歯周病の危険性についてご説明します。少しでも思い当たることがある方は、お早めに当院へご相談ください。
理事長・院長の発表した主な論文
「糖尿病疾患者における歯周病原細菌の血清抗体価に関する調査」
太田淳也、中川種昭ほか(慶應義塾大学 医学部歯科・口腔外科学教室)
日本歯周病学会会誌(0385-0110)56巻4号Page414-422(2014.12)
糖尿病患者における歯周病羅患状態と糖尿病合併症との関係
太田淳也、中川種昭ほか(慶應義塾大学 医学部歯科・口腔外科学教室)
日本歯周病学会会誌(0385-0110)54巻4号 Page336-345(2012.12)
歯周病専門医が診察します
歯周病専門医とは、「5年間研修施設で研修し、専門的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で専門医試験に合格した認定医」と定められています。(特定非営利活動法人日本歯周病学会HPより)
日本歯周病学会では、2004年に厚生労働省認可の歯周病専門医制度を発足させました。そして歯周病に関する専門的知識と技術を有し適切な歯周治療を行える優秀な人材の育成、および歯科公衆衛生の向上を図ることを、国民に対する重要な責務と位置付けています。2012年の時点で歯周病専門医は1024名であり、これは全歯科医師の数(102551人)のわずか0.99%しかいません。
歯周病治療は歯科領域において、比較的新しい分野であり、治療内容も複雑です。歯周病に対する的確な診査、診断、治療ができる歯科医師は現在のところ少数に限られているのが現状です。
歯周病が引き起こす、さまざまな病気
糖尿病 | 糖尿病になると歯周病にかかりやすくなり、歯周病になると糖尿病が悪化するなど、糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を与え合っていると考えられています。その一方で、歯周病が改善されると糖尿病の状態もよくなるという研究結果も報告されています。 |
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心疾患 | 狭心症・心筋梗塞など心臓病のおもな原因とされる「動脈硬化」。最近では、歯周病の原因菌が動脈硬化のリスク要因として挙げられており、歯周病菌の毒素が血管内で作用し、動脈硬化を引き起こすと考えられています。 |
肺炎 | お口の中の歯周病菌が食べ物などと一緒に飲み込まれ、気管から肺の中へ入って肺炎を引き起こすことがあります。通常は体の生理作用として細菌が肺に侵入しないよう守られていますが、高齢になるとこの作用が衰えるため、特に注意が必要です。 |
早産・ 低体重児出産 |
歯周病にかかっている妊婦は、そうでない妊婦と比べて低体重児出産や早産のリスクが約7倍も高まるといわれています。お腹の赤ちゃんの健康のためにも、確実な歯周病予防に努めましょう。 |
口臭 | 口臭のおもな原因は、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物です。歯周病の原因菌は、硫化水素より悪臭の強いメチルメルカプタンを大量に産生することから、歯周病が悪化すると口臭が強くなります。 |
骨粗しょう症 | 骨粗しょう症は、全身の骨強度が低下して骨がもろくなる病気です。骨粗しょう症になると歯を支えている顎の骨ももろくなり、歯周炎の進行が加速すると考えられています。 |
関節炎・腎炎 | 関節炎や糸球体腎炎の原因のひとつに、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌による細菌感染が挙げられます。実はこれらの細菌は歯周病の原因菌でもあり、お口の中から体内に侵入して、関節炎や腎炎を引き起こす可能性もあります。 |
今すぐ歯周病チェック!
歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康にも大きな影響を与えてしまいます。症状が進行してさまざまな病気を引き起こす前に、セルフチェックで早期発見・早期治療につなげましょう。