なりたい職業ランキング!歯科医師は・・

最近少し勉強会や学会などで院長不在の日があり、皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございません。
なるべく学んだことを診療に活かせるよう努力してまいります。

 

突然ですが

歯科医師になる人とはどういうイメージでしょうか?

親が歯科医なのかなあ、とか医学部に届かなかったのかなあとか、思われるでしょうか?

ではお子様が歯科医師になりたい!と言いだしたらどうでしょうか?

おそらく反対まではしなくても、大賛成はしないんではないでしょうか?

学費が高いから・・、いまは歯科医師になっても儲からないから・・、歯科医師過剰で近所にたくさん歯医者があって大変そうだから・・・



さて、先日所属するスタディグループの先生がこんな話をしておりました
少し古いデータですが、2015年のある調査によるとアメリカでのいい職業ランキングではなんと、歯科医師が第1位だそうです。

失業率、勤務時間、収入、研修の長さ、など考慮されているようですが、
これはわれわれ歯科医師の間ではよく知られている話です。
一方で日本では…
小学生のなりたい職業ランキングでは100位以下の圏外だそうです…。
アメリカでの調査は小学生のアンケートではないようですので単純に比較はできませんが、日本で1番いい職業が歯科医師!ということはまずないかと思います。

これはなぜなんでしょうか?
よく知られている歯科医師過剰というのがまず原因になるかと思います。
さらに日本の歯科医師は勤務医という選択肢が少なく、ある程度の年齢になると開業せざるを得ない、という現実があり歯科医院数も増加傾向となっています。
そうなると当然1医院あたりの売り上げが少なくなり、ワーキングプアなどといわれる歯科医師も出てきてしまっており、歯科医院の倒産もあります。
一部の歯科医師は、技術もないのにインプラントなど高額治療を行い、トラブルを起こしてしまうこともあるようです。これがマスコミに取り上げられ、歯科医師に対する不信感を生み出してしまっています。
(そのせいで今もインプラントに対する過剰な不信感が根強く、我々日々研鑽を積んでいる歯科医師としてはとても苦労しておりますが、最近はその不信を取り除くのも専門医の仕事と割り切っています。

近年はそれを考慮してか、国家試験の難易度がかなり上がっており、60から70%の合格率となっております。ここで人数をしぼっているため、歯学部に入ったのに歯科医師になれない、という人が毎年生み出されています。
母校の東京歯科大学は、幸いここ数年ずっと合格率高いため大丈夫ですが、合格率が低い大学などでは定員割れしてしまっているようです。
入っても歯科医師になれる人のが少なければ当たり前ですよね。
定員割れしているということは、学生の質の低下も懸念されますし、いい人材がその学校に入ってこないということで非常にまずい状況です。。。



個人的な考えとしては、開業というのは起業であり、昔のように「誰でも開業したらうまくいく」という方がおかしいですし、歯科医師側も努力しないため、今のほうが患者様にとってはいい状況であると言えます。しっかり勉強し、患者目線での歯科医療を行えなければ信頼を得られないからです。

 

一方で周りの同級生や先輩後輩などで倒産したという話はありませんので、まだまだ恵まれている仕事であるとも言えます。

また、歯科医師という仕事はとてもやりがいがあり、楽しいです。いまから医師免許をもらえたとしても、歯科医師を続けたいと思います笑。

なので、なりたい職業ランキングの歯科医師の現状は少しさびしいです。

冒頭の先生が言っていました。
「自分の子供たちが胸を張って、僕(私)のお父さんは歯医者です!僕(私)も将来歯医者さんになりたいです!と言えるようにしたいと思いませんか?」
これに私はとても共感しました。
それにはやはりまず、自分のできることをするしかないと改めて思いました。

【監修】
監修 太田純也

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