痛くなってからでは遅いですよ!~神経を取っている歯の虫歯編~
今回は神経を取っている歯が虫歯になった場合のお話しをしたいと思います。
まず大前提として、虫歯とは
歯が溶けてしまう病気です。歯は見えている部分は頭だけで、見えない部分に頭よりも長い根っこが隠れています。
そして、根っこのほうが虫歯になりやすいのです。
若い人に多いパターンですが、
歯が痛いと来院→神経を取る→痛くなくなったので来院が途絶える
→数ヶ月後痛みが出て来院→虫歯が進行してしまいやむなく抜歯
という非常に残念なパターンがあります。
若い人はなかなか自分の健康には興味がないというか、歯なんかよりも大事なことがあるというのは非常によくわかるのですが・・・
もう少し強く来院を促しておけばよかったと反省することもあります。
神経を取ったら、痛みがなくても最後かぶせものをいれるまで必ず通ってください。
さて、神経を取った場合のデメリットとして
○歯がもろくなり、根っこが割れてしまうリスクが高くなる。
○虫歯の痛みを感じなくなるので虫歯になって進行しても気づかない。
細かいことはまだありますが、だいたいこういう説明を受けると思います。
それに対して、よく聞かれることとして
①「神経を取っているのになんで痛いんですか??」
②「かぶせてある歯が虫歯になるんですか??」
というご質問があります。
歯は周りに骨や歯ぐきがあります。それらの組織には血管や神経が分布しており、強い外力を受けたり、ばい菌が入って感染すれば痛みを感じます。
歯の神経を取るのは、あくまでも歯の内部の神経を取っているだけなのです。
ただ逆にいえば、虫歯の痛みを感じるのは歯の神経のみです。
これを取ってしまうことで、その後虫歯になってしまっても痛みは感じません。
ではどうなると神経がない歯が痛くなるんでしょうか?
○歯が割れたりひびが入ったり穴があいたりして、そこにばい菌の感染が起こってしまった場合。
○根っこの先でばい菌が繁殖し、膿がたまっている状態
○歯周病によって歯の周りの骨が溶けて、ばい菌が繁殖している状態
いずれも重篤な状態です。
歯の神経がない歯が痛くなってしまった場合は、歯を残せるかどうかのギリギリの状態であることが多いです。
これを予防するには、咬み合わせのチェックやレントゲン撮影、歯ぐきの状態のチェックなどが必要です。
また、かぶせものを入れている歯も虫歯になります。
一見歯が見えないかもしれませんが、かぶせものの下には当然歯があります。そしてかぶせものが合っていないと隙間から虫歯菌が侵入していきます。外から見えないし、痛くもないけど虫歯になってしまうのです。
つまり、神経のない歯に関しては自覚症状が出にくい分、歯科医院での定期健診がより重要になってきます。
お恥ずかしいことに私も一本だけ神経のない歯があります。
自分では何も症状がなくても、定期的にレントゲンを撮って確認しています。
レントゲンは被ばくの問題で抵抗がある方もいらっしゃるとは思いますが、歯を残すためには必要な検査であることをご理解いただけると幸いです。