インプラント周囲炎と歯周病

昨日まで、鹿児島にて開催された日本歯周病学会に参加してまいりました。

今回のトピックスの1つに「インプラントのメインテナンスについてという内容がありました。

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。  これをインプラント周囲炎といいます。
インプラント治療後のトラブルの第1位はこのインプラント周囲炎です。

日本歯周病学会では2012年ごろに、歯周病患者はインプラント周囲炎にもなりやすいか?という疑問に対し、幾つかの大学や病院が協力した共同研究を行いました。

私も慶應義塾大学の歯周病専門医の代表として研究に参加させていただきました。

今回の学会で、ついにその大規模研究の結果や考察が発表されたのです。

結果としては、残念ながら歯周病がある患者はインプラント治療をするとインプラント周囲粘膜炎になりやすい」という結果になったようです。
インプラント周囲粘膜炎はインプラント周囲炎の軽度の状態です。

歯周病専門医がいる施設でさえ、このような結果が出てしまいました。歯周病の治療もちゃんとやって、患者様もメインテナンスに通っているにもかかわらずです。

歯周病治療をないがしろにして、すぐインプラント治療を行うようなやり方ではインプラント周囲炎の割合はさらに大きくなるでしょう。

当院でインプラント治療を行う場合には、必ず歯周病の精密な検査・治療をし、歯周病の状態を安定させてからインプラント治療に入ります。

時間はかかりますが、ここをしっかりやるかどうかは非常に重要です。

よく噛めるようになりたい!そしてそのままその歯で一生噛めるようにしたい!と期待されて、高額な治療費を支払ってインプラント治療を選んだ皆様が後悔することのないようにしたいのです。

 

地域の皆様に少しでも歯周病治療の重要性をご理解いただけるよう、今後も日々努力したいと思います。

 

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【監修】
監修 太田純也

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