なんでクリーニングに何度も呼ばれるのか

歯科医院に対する不満の多くに、「何度も通わされる!」というのがあると思います。儲けるために何度も呼ばれると誤解されている方がたまにいらっしゃるようですが、コストを考えるといっぺんにやってしまったほうがいいのです・・・。実際は保険のルールなどで分けないといけないことがあったりします。

今回はクリーニングに関してご説明させていただきます。

大して汚れてないのに何度もクリーニングしやがって!という不満があるかもしれません。

当院は歯周病専門医のいる医院として、歯周病治療・予防に力を入れております。

歯周病予防や歯周病治療のメインは、歯石をはじめとする汚染物を除去することになります。これを便宜上クリーニングと呼んでいるわけですが、ここに患者様とわれわれとのイメージのギャップがあるのです。

クリーニングというと、紅茶やコーヒー、ワインなどのステインやたばこのヤニなどをきれいにすることをイメージされる方が多いと思います。しかし、われわれが言うクリーニングとは、細菌の塊や腐った歯肉などを除去することなのです。

この細菌の塊なのですが、除去しようとすると一部が体内に押し込まれ血流に乗り、体中をめぐります。ですから、いっぺんに無理して除去しようとすると大量の細菌が体内に入ることになります。高齢の方や持病をお持ちの方はこれだけで大変なリスクとなります。

また、炎症をおこしている歯ぐきの中に器具をグイグイいれて歯石取りをすると、より炎症が強くなってしまったり、歯ぐきが一気に下がって知覚過敏になってしまったりします。

ですから慎重にやらないと、やる前より症状がひどくなってしまうのです。場合によっては全身的に発熱したりなどの症状も出かねない通常はいっぺんにはやらないのです。(保険外治療で、抗菌薬を服用しながらいっぺんにやる方法もあります。)

歯周病は相当進まないと症状が出ません。

ですからほとんどの人は自分が思っているよりも歯周病が進んでいます。「見た目はきれいだしそんなに悪くないと思っているから、1回で終わるつもりで来院した。しかし、実際は歯肉の奥深くに歯石が進んでいるため歯石取りに数回かかると言われた。」

このギャップによって、残念ながら中断してしまう方もいらっしゃいます。

しっかりご説明して、ご理解を得られるようにがんばります!

  • なんでクリーニングに何度も呼ばれるのか

【監修】
監修 太田純也

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